カブリダニの胴背毛のパターン

カブリダニの背面の毛は,必ず生えている10本の胴背毛 (j1, j3, j4, j6, z4, z5, r3, J5, Z4, Z5) を除く17本の胴背毛の有無によって,便宜的に52のパターンにグループ分けされている (詳細は,Chant and Yoshida-Shaul, 1989).腹面の毛は,10本の胴腹毛 (ST1, ST2, ST3, ST4, ST5, JV1, JV5, ZV2, PST, PA) を除く5本の胴腹毛の有無により,便宜的に9パターンに分けられる (詳細は,Chant and Yoshida-Shaul, 1992).国内のカブリダニ96種は,ムチカブリダニ亜科で7パターン,ホンカブリダニ亜科で3パターン,カタカブリダニ亜科で7パターンに分けられるが,それぞれの亜科には基本パターンが存在する.

 

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まず,これらの基本パターンと見比べて,同じなのか異なるのか識別するが重要である.ムチカブリダニ亜科では,基本パターンと異なる,ヨコアミ,ゲンヤ,サイタマ,シマモリ,ハマナス,デイリ,ニセウルマ,ウルマ,ウルマカブリダニモドキを識別できる.ホンカブリダニ亜科では,ホンコン,シュレイを識別できる.カタカブリダニ亜科では,ケブカ,シラカバ,タケ,ニセパイライ,リクチュウ,タマゲ,ミナミ,ケウスを識別できる.

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基本パターンについては,毛の長さや太さを比較する.毛の長さについては亜科ごとに分布を示す.